GENZ
ACADEMIC ANIMAL
GENZ
宇宙の中の地球系
2003年、ボーカルChiyoと、ギターAtsushiにより結成。独特の詩的世界観をもつChiyoと、その世界観を自らのギターやアレンジでロック、アンビエント、アコースティックに表現するAtsushi。よりトリッピーに、よりオープンにその空間とコラボレーションをイメージし構成と編集を変えて挑むスタンスは、彼らの根底にある場所やジャンルにとらわれない幅広い音作りの可能性の探求そのものである。'08年MuKu Magazineのコンピレーションアルバム「MuKu Compilation」(DIW THE GARDEN)への参加で、その世界観の片鱗を垣間見せたGENZ。RAVE会場からカフェスペースまで、音の制限を際限なくコントロールし、より優しく、より強く、宇宙規格的世界観を呈示し続けている。満を持して'09年 ACADEMIC ANIMALレーベルより1st Album「Cosmic Standard」をリリース!
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異世界へ行ったトラック

廃品回収かなんかのトラックが、洗車機みたいなやつに飲み込まれてしまった。
トラックに乗っていた作業員3名は、トラックもろとも洗車機の裏側の世界へ入ってしまう。


洗浄機の裏側は、真っ暗な狭い通路で、前方は既に閉じてしまっている。
だからトラックはバックでしか進めない。
彼らはしかたないので、狭い通路をバックで進む。


どうやら、ここはコンクリートでできた建物の内部らしい。
やがてトラックは広いところに出たので向きをかえると、出口を探して建物の中をウロウロと走った。


そこは、ショッピングモールなどによくあるような立体駐車場のような場所である。
地下ではなくて、地上数階建てのだだっ広い古臭い駐車場。
ところどころから日光がもれてあたりはぼんやりと明るい。


他に止まっている車はなく、やたらとガランとした印象だ。


壁際に何箇所かシャッターが開いているところがあり、光があふれている。
トラックの作業員たちは、そこから脱出できると感じとり、急いで光の方へ向かう。
だけど、トラックが近づくと、シャッターがガシャーンと閉まってしまう。
ハンドルを切って次の出口に向かっても、同じようにシャッターは次々と閉まってしまう。


あきらめた作業員たちはトラックを適当な場所へ止めて歩き始める。
トラックを止めたすぐ近くには、青空が見える中庭のようなところがある。
そこには小さな事務所のような建物があって、受付の小窓がついている。
事務所の横には上へと登る階段。


作業員たちがそちらへ向かい、受付の小窓を覗いた。
すると、そこには、映画館の受付嬢のような人がいてチケットを販売していた。


チケットは大人1人1,000円。


3人ともチケットを買う。そして、受付嬢に、横の階段を登っていくように指示され、それに従う。


階段の途中には、浮浪者のような、うす汚い男たちがごろごろ寝ている
その男たちは寝ているにも関わらず、みんなひっきりなしに手を動かしている。
何も持っていないのに、何かを配っているようなしぐさだ。


この人たち、何だろう・・
と思いつつも、作業員たちは階段を登っていく。


上の方へ行くと、そこは駐車場の屋根の上で、晴天の日光の中に何千人もの作業服を着た老若男女が座っていた
そして口々に何かを言い合ったり、カードのようなものを交換したりしている。


3人の作業員たちが呆然として立ちすくんでいると、彼らの目の前にしゃがんでいた女が話しかけてきた。前歯が欠けた女。


「あんたたち、新入りかい?
 じゃあ、ここのルールを教えてやろう。
 ここじゃあね、みんなひたすらギャンブルをしてるんだよ。
 なぜかって?それはね、ここで20万円ためないと出れないからだよ。」


作業員たちはあたりをもう一度見てみる。確かに、ここにいる作業服の人たちはみんなギャンブルをしているようだ。


「ここに集められてるのはね、社会にとってお荷物な連中ばっかりなんだよ」


そういって、女は隣にいた男の肩をたたく。男がぐへぇと笑って舌を出す。


作業員たちがドン引きしていると、急にそこに居た全員がザッと立ち上がった。
全員が一つの方向へと顔をむけている。


3人が驚いてみんなの視線を追うと、そこにはスタジアムの入口のような通路があり、そこを一人の男が布団を担いで出て行くところだった。それを見送りながら、何千人もの作業服の人々が一斉にこんな声を出す。


「イェ~ン テェチェン トゥェ~ン...」


それはユニゾンで音程もタイミングもばっちりあった歌のような呪文のような不思議な掛け声だった。
敬意と哀愁と愛情のまざった何ともいえない声。


作業員たちはなぜか感動してしまった。


「今のはね、ここを出て行くものを送るための歌なんだよ。」


さっきの女が教えてくれる。


布団を担いで出て行った男を家族が迎えて再会の抱擁が交わされているのが見えた。


「ああやってまじめに稼いで出て行く奴もいれば、なまけてずっとここに居る奴もいる。
 最悪なのは、いくらお金がたまっても出て行こうとしない連中さ。」


新入りの3人の作業員たちは、自分たちの置かれた運命を徐々に把握し、自分たちは絶対にここから出てやるんだとそれぞれ誓い合うのであった。。。


夢日記:2009/11/09


Writing : Chiyo

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